ミセン-未生- 韓国ドラマには珍しい「恋愛要素ゼロドラマ」で大ヒット!

●ドラマ概要

ミセンは働く社会人の大きな共感を得たヒューマンドラマ。(2014年。同盟のウェブ漫画が原作)

囲碁のプロ棋士を目指すも挫折したチャングレが、学歴社会の厳しい大手企業のインターンとして入社し、上司・同僚と様々な問題に向き合っていくドラマです。恋愛や復讐劇といった韓国ドラマ的要素がほとんどない、ある意味異色の作品。

主人公のチャングレ役を演じたイムシワンは、この作品が俳優としての転機になったくらい、頼りなくそれでも前向きに仕事に取り組む新入社員役を見事に演じています。

仕事に悩む主人公を通して韓国の学歴社会、会社組織というのが見えてくるので、韓国の社会を知るにも興味深く考えさせられる作品です。

●主な役どころ

チャン・グレ/イム・シワン

アン・ヨンイ/カン・ソラ

 

●見どころ

韓国ドラマには珍しい「恋愛要素ゼロドラマ」で大ヒット!

ミセンの見どころはなんといっても登場するキャラクターがそれぞれ魅力的なことです。

同期入社の新入社員は、主人公のチャングレ以外は学歴も高くエリートとして入社していますが、だからといって悩みがないわけではないというところが面白いです。高学歴のエリートたちも、主人公と同じように悩み・苦悶しながら成長していきます。

主人公は囲碁の天才と評され、プロ棋士としての将来を嘱望されていたにもかかわらず挫折し、コネで仕方なく契約社員になった、なんとなく頼りなくどこにでもいるような青年ですが、その一番ダメだと思われていた青年が次々と企画をこなし会社の組織も変えていくかのような姿は、ある種下剋上のような面白さを感じます。

最初はそうした学歴もないのに活躍していく主人公を目障りに感じていた同僚たちも、彼のひたむきな姿に見る目が変わっていき、問題にぶつかる度に仲間との絆が深まっていくのも、見ていて爽やかです。

希望にあふれていないリアルさが魅力的

ですが、頑張って成績を残しても必ずしも報われるわけではない、というどこか絶望感を感じさせるようなところも韓国ドラマならではだと思います。

結末も日本のドラマだと希望や明日に向けて光が見えるような終わりになっていることが多いですが、韓国ドラマは希望の光は見せても、最後まで暗闇の中にいる・・という結末が多い気がします。闇が深く、終わりよければすべてよし、とならないのがリアルで、このドラマをおすすめする理由でもあります。

イムシワンの好演が光る

また、主人公を演じたイムシワンはもともとゼアという現在は解散してしまったK-POPグループのアイドルで、しかもそこでは目立たないくらいの存在だったのですが、そうしたカッコいいのに素材を生かし切れていない感じが、このドラマの主人公に良く似合っていたと思います。

ぼーっとしているようで実は賢く逆境を乗り越えていく主人公は、彼そのものなのではないか、とも思わせてくれます。

このドラマを見ていると自然に素を演じているだけのようにも思えますが、彼の別の作品を見るとまた別のイメージを感じさせるので、やはりイムシワンは演技派の俳優なのだということを思わせてくれる作品でもあります。